多摩丘陵の谷戸の水辺の生物


川崎に残る谷戸には、飯室層の上の押沼砂礫層から湧水が滲み出して小さな流れをつくっています。
これは規模的には小さいながらも源流の様相を呈していて、その水辺には、その環境にしか棲息できない生物が棲息しています。
これら在来の生物と棲息環境が残っている区域は非常に狭い範囲であり、極めて脆弱ではありますが、大都市の生物多様性においては非常に重要な要素です。


ホトケドジョウ
多摩丘陵の谷戸には湧水が流れ、絶滅危惧IB類のホトケドジョウが棲息しています。
ホトケドジョウは水温が 25℃以上では棲息できない淡水魚で、寿命は 2 年と言われています。

※環境省絶滅危惧IB類、神奈川県絶滅危惧IB類

マルタニシ
タニシは、昔は田んぼのサザエといわれ、貴重な食糧でした。
タニシの仲間は国内に 4 種、マルタニシ、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシが棲息しています。
タニシは、物の表面に着生した藻類なども食べ、水底の沈殿物(デトリタス)も食べ、水中の懸濁物は鰓で濾して食べるという生物であるため、水田に普通に棲息していましたが、 農薬など農業の近代化に伴って、近年急速に減少しています。 ところが、市内の谷戸の湿地に、マルタニシが生き残っていました。
日本原産ではなく、稲作とともに伝来したものだとする説もあるぐらい、昔の稲作文化を伝えてくれる生物の一つです。

※環境省絶滅危惧U類


カワニナ
多摩丘陵の谷戸の湧水がつくる水辺には、淡水生巻貝であるカワニナが普通に棲息しています。
カワニナはゲンジボタルの餌となることが良く知られています。


ヤマトクロスジヘビトンボ
川崎で見られるヘビトンボ科の昆虫はヘビトンボとヤマトクロスジヘビトンボの 2 種ですが、ヘビトンボは大きな河川の清流域に棲息するのに対して、 ヤマトクロスジヘビトンボは源流域にのみ棲息します。
幼虫は他の昆虫などを捕食し、肉食生活をしていますが、水の綺麗な水域に棲息するため、水質 I 級の指標生物として扱われます。
幼虫は昔、孫太郎虫と呼ばれて、釣りの餌として使われていました。


クロセンブリ
センブリ科の昆虫はネグロセンブリ、クロセンブリが記録されています。
川崎市内の生息地では混生している水域もあります。
幼虫は肉食で、これらが多数棲息していた湧水溜まりではアメリカザリガニの棲息を確認できませんでした。



ハンノキ林

多摩丘陵の谷戸は細かく、急な斜面で囲まれていますが、湧水の流れる谷戸が残っています。
自然林であるハンノキ林を残す谷戸もあります。
ハンノキ林は、植生の遷移の過程で一時期のみ出現する自然林です。
国の第3回自然環境保全調査において「生田のハンノキ林」が特定植物群落A及びGに選定されました。 Aというのは「原生林もしくはそれに近い自然林」、Gというのは「乱獲その他の人為の影響によって当該都道府県内で極端に少なくなるおそれのある植物群落または個体群」です。

ハンノキ
ハンノキは夏緑広葉樹ですから、冬になると葉は無くなり、枝先に残っている松毬状の前年の実とイモムシ状の薄茶色の雄花序を垂らし、 地上から見上げると目立つようになって、ハンノキだと分かります。
雄花序は次第に明るい色に変化し、2 月には花粉を飛散させ、まだ非常に小さな雌花が受粉します。

ハンノキは斜面や谷に生える落葉樹で、谷底湿地では群生して林となります。
多摩区と麻生区にある特殊環境でハンノキ林が育っています。麻生区の水田跡地では芽生えた若木が十数年で林に生長しました。
種子はできるが林内でハンノキの後継木は育ちにくく、水分条件によっては陸化が進みます。
単木自生樹は中原区以北にあります。


ミドリシジミ
一部のハンノキ林には、ミドリシジミが棲息しています。
ミドリシジミはゼフィルスと呼ばれる樹上生シジミチョウの一種で、幼虫はカバノキ科のハンノキ、ヤマハンノキの新葉を食べて成長し、6 月に羽化、8 月〜翌年 5 月までは卵で過ごすチョウです。

※県)準絶滅危惧種

コシロネ
多摩区や麻生区の湿生地の日陰に生える高さ 30 pほどのシソの仲間です。
白い地下茎から茎を出し、9 月ころ葉の脇に小花が群れて着きます。
市内の生育地は限られ、目立たない植物です。


ヒメシロネ


アケボノソウ
多摩区のハンノキ林で古くは 1930 年代と 1970 年代から 2010 年代まで生育が確認されていました。
秋に湿原の木道脇の 1 本に白く咲く花でした。
折り捨てや流出の受難続きでこの数年姿がみえません。
自生に疑問もありますが、生き延びていて欲しい植物です。


オオニガナ
湿原に生える大型のキク科植物で 1936 年に枡形山湿地、1972 年多摩区ハンノキ林内での記録が残っています。
近年県内でも自生確認が少なく、絶滅原因は生息地の減少とされています。
※絶滅種



都市公園に残った多摩丘陵の谷戸

ツリフネソウ
山地生のツリフネソウが咲く谷戸のある都市公園生田緑地があります。
同じ環境に生育するカナムグラは放置しておくと、全ての植物に絡みつき、覆って、枯らしてしまいます。
そこで、かわさき自然調査団では、この自然の恵みを皆が享受できるように、カナムグラ刈りを続けています。



多摩丘陵の谷戸の水辺から消えた生物

絶滅種 タガメ
今は消えてしまった昆虫の代表選手として取り上げられることの多い水生半翅目の「タガメ」は、昔は川崎でも普通種でした。
日本最大の水生のカメムシで体長は50mmを越えます。春から秋は水田、水路、ため池等で魚類やカエルなどを捕食し、冬季は陸上で越冬する、水辺と陸地の境に生きる昆虫です。
『子どもの頃(1930年代)に台所にあった竹ざるを持ち出して、田圃に水を引く小さな用水掘をさらうとよくとれたよ。余りに普通にいたので標本をつくるなんて考えなかった。』と中山周平氏が言われていました。
1960年頃までは麻生区の丘陵地の田圃ではまだ見られたと話してくれました。
残念ながら、農薬の使用、水質の悪化、そして開発に伴う生息環境の消失等により絶滅しました。
タガメが川崎に生きていた証として現存する川崎産タガメ標本は、中山周平氏が作られた3個体のみです。
※国)絶滅危惧II類、県)絶滅種

絶滅種 ゲンゴロウ
川崎から消えた水生昆虫を考える時に外せないのが体長40mm前後の成虫、幼虫、ともに肉食の水生甲虫、ゲンゴロウ科のゲンゴロウです。
中山周平氏の話によると1930年代には麻生区片平の田圃やため池では、ゲンゴロウはクロゲンゴロウ、コガタノゲンゴロウなどと一緒に普通に見ることができたそうですが、タガメと同じように農薬使用、水質悪化、開発による生息環境の破壊により絶滅してしまいました。
麻生区の大型のゲンゴロウの採集は1965年のクロゲンゴロウが最後だったそうです。その時にはもうゲンゴロウ科のゲンゴロウ、コガタノゲンゴロウは片平からは消えていたそうです。
タガメと同じくゲンゴロウ、クロゲンゴロウ、コガタノゲンゴロウの川崎市産現存標本は中山周平氏が作られたものと県博所有のコガタノゲンゴロウだけのようです。
※国)絶滅危惧II類、県)絶滅種


今も見られるゲンゴロウの仲間


川崎で今でも見られるゲンゴロウ類は中小型種のヒメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウ、マメゲンゴロウの 4 種です。
(但し、水田ビオトープ班では特別な調査は行っていません。)
ヒメゲンゴロウ

コシマゲンゴロウ

ハイイロゲンゴロウ
田圃や人工池など、浅くて明るい止水域で見ることができます。

マメゲンゴロウ
マメゲンゴロウは谷戸の明るい田圃に棲息していて、冬期湛水している田圃では通年、田圃の中で見られます。



谷戸の水辺で見られる生物

シュレーゲルアオガエル
シュレーゲルアオガエルは、名前から受けるイメージに反して谷戸の在来のカエルです。
田圃の畦など、水辺の土塊の下や穴に、卵塊(卵200〜300個)を泡に包んで産卵します。
繁殖期は軽やかな鳴き声が谷戸にこだましています。
孵化した幼生(オタマジャクシ)は水域に入って、成長し、上陸後暫くは草地で昆虫類を捕食して過ごしますが、やがて雑木林に移動します。
水辺と雑木林の両方がある谷戸の代表的な生物です。
※日本固有種(基準標本は大英博物館収蔵)、県要注意種


シマヘビ
苦手な人も多いヘビの仲間ですが、捕食者としての位置を占め、ヘビがいることは豊かな生態系のある証しでもあります。
市内では主に北部の丘陵地に生息します。
写真は樹上でヤモリを捕食したシーンです。幼蛇はまだら模様があり、毒のあるマムシに擬態しているとも言われています。


上記シュレーゲルアオガエルが抱接・産卵のために水辺に現れる 4〜5 月になると、その水辺で暮らすようになる様子が観察されています。

(左)シマヘビ成蛇、(右)幼蛇
※県要注意種



生き残った水草
イヌタヌキモ
麻生区黒川地区は多摩ニュータウンに隣接していたことから大規模住宅地開発が進められ、はるひ野が整備されました。
開発前にあった希少な生物は移植保護されることになりましたが、上手くいかないものも多数ありました。
イヌタヌキモも、域内の田圃・湿地から公園予定地に移植され、アメリカザリガニの攻撃などから守られていたものが、2006 年に見つかりました。
しかし、当該地の所有権移転に 3 年を要したため、棲息環境が悪化し、消えることになりました。
調査団では、発見した年の夏に、元気な状態にしてから標本にしようと、溶けかけていた茎葉を数本採取して持ち帰り、水槽で管理していました。
イヌタヌキモは根の無い沈水植物で、茎の先端部に殖芽を形成して越冬し、翌年、殖芽から新しい芽を伸ばして繁茂します。
生育に必要な栄養は捕虫嚢によって動物プランクトンを捕らえる食虫植物です。
水槽での管理栽培は順調でしたので、黒川において野生復活させたいと思い、2009 年、北部公園事務所を通して、黒川で活動している団体に手渡しました。
市民団体の丁寧な管理によって、はるひ野地区に残された湿地に広がり、花を咲かせるようになりました。
※国)準絶滅危惧種



谷戸の湿地に生き残った植物

トウゴクヘラオモダカ
県内では城山と川崎のみになってしまいました。
川崎市内の生育地も 1 ヶ所で、そこでは一度消えていたものを、生育環境の再生によって復活させたものです。
同じ環境に生育する植物が多く、適度な攪乱が必要な植物です。
※県)絶滅危惧IA類


コマツカサススキ
県内生育地は、横浜市瀬谷区、津久井、そして川崎市多摩区の 3 地区のみになってしまった植物です。
コマツカサススキは、湧水に依存する溜池の畔など、日当たりの良い少し湿った鉱物質の多い土壌に生育するとされていますが、 自然の植生において生育適地の環境を保全することは困難です。
※県)絶滅危惧 IA 類


ノハナショウブ
花期 6〜7 月。草丈 30〜60cm。湿地や湿り気のある草地に生えます。
赤紫色の花びらの基部に黄色のすじが入るのが特徴です。園芸種のハナショウブはノハナショウブの改良種です。
以前は多摩丘陵の谷戸部に点在していましたが、宅地化などで自生地は減少し、現在、大規模開発の過程で公園緑地として残された地区内で保護されています。
※県)絶滅危惧IB類



谷戸の水辺に生き残った昆虫
ゲンジボタル
幼虫が水中で生活する水生ボタルであり、ホタルを愛でる日本の文化を培ってきた日本人にとって馴染み深い昆虫です。
全国に先駆けて都市化を経験してきた川崎にも昔から世代交代を繰り返してきたゲンジボタルが棲息する水辺があります。
中でも首都圏における大規模緑地構想を発端に都市計画決定された川崎市第 1 号の都市計画緑地においては、 このゲンジボタルの棲息環境を市民が保全し、毎年、その光の舞を市民が楽しめる仕組みがつくられ、都市公園における生物多様性保全が実現されています。


ヘイケボタル
真夏に出現するホタルで、田圃や湿地に生息しますが、市内では昨今ゲンジボタルよりも少なくなっており、麻生区にわずかに残ります。
最近の都市近郊における減少要因としては、圃場整備(特に、冬場に水がある田圃が少なくなったこと)や人工照明の影響が大きいとされています。


スジグロボタル
幼虫は湧水による湿地等のミヤマシラスゲ、シラコスゲなどのスゲ植物がある環境で生活しています。
成虫は 5 月下旬〜6 月上旬の短期間に出現します。
市内では多摩区生田緑地および麻生区黒川の湧水の水辺で見られます。

※県)準絶滅危惧種



谷戸の止水、滞留水に生きるトンボ

シオヤトンボ
シオヤトンボは春一番に出現するトンボ科のトンボですが、神奈川県東部では急減していると心配され、要注意種とされています。

シオヤトンボ(オス)、シオヤトンボ(メス)
※県)要注意種

マユタテアカネ
マユタテアカネは、多摩丘陵の雑木林に隣接した水辺に棲息し、羽化後は林内で夏を過ごし、秋になると谷戸の田圃など、明るく開けた水辺で見られるようになります。
都市化によって、こうした里山らしい環境が消えていくことで減少しています。
川崎には、マユタテアカネが棲息している丘陵谷戸の水辺と雑木林が一部の地域ですが残っています。

マユタテアカネ(オス)、マユタテアカネ(メス)
※県)要注意種

ショウジョウトンボ
真夏に多いトンボで、アカネ類より太い胴体と鮮やかな赤は、強い存在感があります(写真)。
これは雄の特徴で、雌は体色がくすんだオレンジ色、羽は全体が黄色をおびています。
池・田圃などの滞留水に生息します。


オオアオイトトンボ
オオアオイトトンボは 5 月末頃羽化し、成虫は樹林で生活していますが、10月中〜下旬になると水辺に出てきて、繁殖行動を行います。
ただ、産卵は、水面の上空に張り出した枝の樹皮下に行い、孵化した幼虫(ヤゴ)は落下して水中生活をします。


オオシオカラトンボ


クロスジギンヤンマ


キイトトンボ
池や湿地に夏に現れ、昨今都市近郊で減少が著しく、市内では麻生区にわずかに残ります。
華奢な体型ですが、特に雄は腹部全体が鮮やかな黄色で、日本には他に紛らわしい種はいません。



谷戸水流に棲息するトンボ

ヤマサナエ
ヤマサナエは里山の水辺に棲息するサナエトンボ科のトンボですが、神奈川県では要注意種とされています。

ヤマサナエ(メス)、ヤマサナエ(オス)
※県)要注意種

オニヤンマ
オニヤンマは、国内最大のトンボですが、谷戸の小さな水流に棲息し、成虫になるまでに 5 年かかるといわれているオニヤンマ科のトンボです。


ニホンカワトンボ
流水性のトンボで春から初夏に現れ、水質汚濁や河川の改修により都市近郊で減少が著しく、市内では麻生区の源流域にわずかに残ります。
カワトンボの分類については従来諸説ありましたが、近年DNAの研究から、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボの2種に分けられており、 神奈川県では多摩丘陵など平地に近い場所にニホンカワトンボが分布します。>



その他の谷戸で見られる昆虫

ツマキチョウ
一部の谷戸では、春に、ツマキチョウに出会うことができます。

ツマキチョウ(オス)

ヒメギス
黒っぽい色をしたキリギリスの仲間で、神奈川県の平地周辺では、湿地に限って生息しています。
市内では初夏から盛夏、北部に局所的に見られます。


ミイデラゴミムシ
ミイデラゴミムシの 1 齢幼虫はケラの卵しか食べないという特別な関係にあります。
そのケラは棲息できる場所を失い、神奈川県要注意種となっていますので、ミイデラゴミムシは珍しい存在になっています。

(左)ミイデラゴミムシ、(右)ケラ

スゲハムシ
成虫は春に出現し、スゲ類の花粉を食べます。
市内では麻生区の限られた湿地に生息し、神奈川県全体でも箱根など限られた場所にしかいません。
隣接する東京都では絶滅危惧種に指定されています。
色彩変異があり、青色は雄のみに現れます。幼虫が湿性植物の根を食べて成長する、ネクイハムシの仲間です。


ミナミカマバエ
湿地に生息する、体長5ミリ未満の小さなハエ。
写真のようにカマキリのような前脚を持ち、微小な昆虫などを捕らえてその体液を吸います。



谷戸の田圃

水田植物 or 田圃雑草
かっては水田雑草と呼ばれ, 特有の植物が多くみられましたが、開発による水田の減少や農薬の使用などで、見られる植物が少なくなりました。
川崎市北部麻生区に残っている水田にわずかに残っています。

水田風景

コオニタビラコ
春の七草「ホトケノザ」です。春の田植え前の水田に生えます。葉を放射状に広げることから「田平子」。
路傍や空き地などにオニタビラコ、丘陵の雑木林の縁にヤブタビラコがあります。


イヌビエ
形がイネに似ているので穂が出るまでわかりにくく、水田雑草として嫌われています。


オモダカ
花期8〜9月。
葉の形が人の顔に似てて水面より高く伸ばしていることによる「面高」の意味の名と言われています。
おせち料理のクワイはオモダカの栽培変種です。


コナギ
農薬の使われていない水田一面に広がり、イネの生育をさまたげています。
花は9〜10月、紫色の花を葉より低く咲かせます。


ホシクサ
草丈5〜15cm。稲刈りの頃に観られる。
茎の先に小さな頭花をつけるが、それが星のように見えるので名がついたといわれています。


チョウジタデ
草丈30〜70cm。花期8〜9月。
日本各地の水田、湿地に生育しています。
姿がタデ科植物に似ていることでタデがついていますが、アカバナ科です。

(左)チョウジタデ、(右)チョウジタデでよく見られるセスジスズメ幼虫

キカシグサ
草丈10〜15cm。
茎は伸びると横に這い、節から根を出して増えていきます。
稲刈りの頃み見られる。


ヒメガマ
花期 6〜7 月。草丈 1.5〜2m。
ガマの穂と呼ばれる円柱形のものは雌花穂でその上の細いのが雄花穂です。
ガマの仲間はガマ、コガマ、ヒメガマの3種ありますが、ヒメガマは雄花穂と雌花穂の間が離れているのが特徴です。


ケキツネノボタン
花期 3〜7 月。草丈 40〜60cm。
田の畦や湿地に生えていますが、全体に毛が多く、葉がボタンの葉に似ていることから名づけられました。
黄色い花は光沢があります。田や湿地で見る機会が多い種です。


タネツケバナ
花期 3〜5 月。草丈 20〜30cm。
種もみを水に漬けるころに花を咲かせるので種漬花です。
花弁が 4 枚の白い花を多くつけます。田圃や湿地に群生が見られますが、草地や路傍でも見ることができます。


オオミゾソバ、ミゾソバ
花期9〜10月。
草丈50〜100p。
水辺、湿地、田の畦など湿ったところに群生します。
溝に生えるソバの花に似ていることから名づけられました。
別名ウシノヒタイと言い、葉の形が牛の額に似ている意味です。
オオミゾソバとミゾソバの区別は難しが、花や葉がオオミゾソバのほうがやや大きい。
葉の中央部のくびれが深く、葉柄がやや長めで、翼が目立ちます。
花の色も白色から紅紫色など変化が多い。
川崎市内では丘陵の湿地や河川の水辺などミゾソバが多く見られます。

(左)ミゾソバ、(右)オオミゾソバ

ミヤマシラスゲ
花期5〜7月。
草丈30〜80p。
湿地や湿り気のあるところに生えるカヤツリグサ科スゲ属の植物です。
葉裏が白っぽいので深山に生える白菅の意です。
茎は太く根茎を延ばすので、湿地に群生しています。
直立した大きな花序をつけます。
湿地に生える特性のため、あまり多く見られません。



谷戸で見られるシダ植物

クサソテツ
多摩丘陵の谷戸など明るい湿地や草地に、株立ち状に群生する50〜100pになる夏緑性のシダです。
胞子のほか根茎から匍匐茎(ランナー)をだして増えます。
かつては川崎市全区で見られましたが、2000年以降は北部4区でのみ生育が確認されています。
若芽はコゴミと呼ばれる山菜として珍重されています。
秋には葉の半分程度の長さの胞子を付ける葉が成長し、これを乾燥させたものはガンソクと呼ばれ花材として使われています。


クラマゴケ
林下などの湿り気のある地面を、這うようにして群生する常緑性のシダです。
川崎北部3区でしか生育が確認されていません。
クラマゴケの和名は、京都の鞍馬山で発見されたことから名付けられました。



溜池などの水辺

オシドリ(大きさ45p)
岸辺に広葉樹がかぶさるような環境に生息し、草の実やドングリなどを食べます。
川崎市内では川崎国際生田緑地ゴルフ場の池で越冬しています。
仲の良い夫婦をおしどり夫婦と呼ぶことがありますが、オシドリのオスとメスがいつも連れ添っているのは冬から春の間だけで毎年相手を変えているようです。
生田緑地の近くにおし沼というバス停があります。
この辺りには昔オシドリがいた沼があったそうです。

写真は左がオス、右がメスです。

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